 |
【NPO法人 ITC茨城】
問合せ先 |
| |
〒312-0032 |
| |
茨城県ひたちなか市 |
| |
津田2454 |
| |
TEL:0295-53-3952 |
| |
FAX:0295-52-1217 |
|
|
ITコーディネータ協会
|
|
|
 |
| お役立ち情報 >
ITや経営の情報 > 二人旅は珍道中 |
| 2006/11/06 織田 幸博 |
1. ITCコンファレンスで道に迷う
大田区産業プラザで10/13-14の2日間開催されたITCコンファレンスに行きました。ITC茨城のKさんは住まいが近く、送迎の足の便も考えて10/13の朝は同一行動としました。上野からJRに乗り、時間の余裕があったので品川で京浜急行に乗り換えずにそのままJRの蒲田駅で降りました。
産業プラザにはITC組織のコミュニティ会議などで何回か来ていますが、大抵は京浜急行蒲田駅を利用しますが、JR蒲田も何回か降りたはずなので安心しきっていました。ところが、こっちだろうと歩き始めるとどうも様子が違うのが感じられました。5分くらい歩いたところで通行人に聞きましたら、どうやら丸っきり反対方向に歩いていたのでした。あわてて蒲田駅に戻り産業会館に向かいました。数十分の余裕があったので、こと無きを得ました。
2. なぜ起きたか?
昨年もこの会場で行われていますし、ITCAの会議もここが多いので二人とも数回は来ているはずです。それなのになぜ間違えてしまったのでしょう。それは、二人体制は相互依存の典型であり無責任体制に陥りやすい、ということです。たとえば「やじさんきたさん」の「東海道中膝栗毛」がその典型です。お互いに知ったかぶりをし合って、責任は他人におし付けて旅をする。まさに自然に「二人旅は珍道中」となるのです。
これに対して「三人寄れば文殊の知恵」と言います。これは二者の対立を第三者が仲裁することで、よいアイデアが得られる、より次元の高い案が創造される、ということです。いわゆるヘーゲルの弁証法の「正」、「反」の二項対立を「止揚」(アウフヘーベン)によってより高い次元の案(「合」)を導くということの分かりやすいたとえです。もっとくだけた例では落語の「三方一両損」もこの一種ではないかと思います。(下記注を参照)
(注) 三方一両損
三両を拾った男と、一旦落としたものはもらえないと言う男、まさに江戸っ子の二人。大岡越前のお白州にでた両人は各々言い分を述べて金はいらないと言い張った。そこで越前守は一両出して「二両ずつを両人に褒美としてつかわす。2人とも三両懐に入るところを二両となったのだから一両の損。奉行も一両出したのだから一両の損。これ呼んで三方一両損なり」で無事解決した。
3. 組織形態として
さて以上のことから、会社などでのプロジェクトチームを作るときの参考がいくつか得られます。
(1) 責任者を明確にすること
複数の担当で、何については誰が責任を持つのかを明確にしておく。職位として上下関係を定められないときもあるので、どういう分野は誰、と決めておく。
(2) 意思決定・アイデア創出はできれば3名以上、せいぜい5〜6名程度とすべき。
これは4.の数理的考察からも明確な真理として導かれます。
たとえばITコーディネータのコンサルティングも一人ではなく、経営系、情報系などでチームを組むことが有効です。
(3) 固定化せず、柔軟な組織に
作業のフェーズごとに要求される能力は変わる(蒲田駅周辺の地理に詳しい人、経営コンサルに強い人・・・)ので、プロジェクト、テーマごとに必要な能力を持った人材を集める「クロスファンクショナルチーム(CFT)」が望ましい。
4. 数理的検証
実は10年ほど前に「膨大な雑談」を書いたことがあり、似たような解説をしたはず、と思い出しました。ある学会論文で「何人のメンバで協力組織を作るのが良いか」を数理的に解析し、考察してありました。「雑談」の一部としては、それを引用して私なりに解説したものです。原文は紙しかないのでその一部をPDFにしました。(2ページのみ)
なお、文中で「ういてぃふいず」とかあるのは、当時はやった「WYSIWYG」(What You See Is What You Get:見たままが得られる)のパロディです。
→ 「数理システム論」ファイルへのリンク
原論文 「イノベーションにおける人間関係」 黒川兼行
電子情報通信学会誌 Vol77 No7 pp.761-766 1994.7
主な結論は
(1) アイデア創出には3名が一番パワーが出る。「三人寄れば文殊の知恵」は正しい。ただし仲が良いことが前提。
(2) 二人で協力してもせいぜい1.2倍の能力しか出ない。
などです。
なお、この数理的解析は「同じ分野」のメンバが協力しあってアイデア創出していく、というプロセスが前提です。異なった能力を持った人、異分野の協業についての「適材適所」「シナジー効果」を否定するものではありません。
5. まとめ
弁証法の考え方は対立する二つのものをぶつけて、新しい価値を生む、より次元の高いアイデアを創出する、第三の道を探る、ということです。経済学のシュンペータの「新結合」はこの考えそのものでしょう。QCの考え方で「2つのものをくっつけられないか」という質問もこの別表現です。ひょっとして陰陽道もこの仲間かもしれません。つまりこれらの考え方は昔からある古典的手法です。しかしいまでも新たなビジネスモデルを考えるときに参考になるのではないでしょうか。
(タイトルに比べ、真面目な話になってしまいました)
以上
|
| |
|
| topへ |
|