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雑談 > 「量的金融緩和政策の解除」ってどういう日本語だ? |
| 2006/3/20 織田幸博 |
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「日銀は9日の政策委員会・金融政策決定会合で、2001年3月に導入した量的金融緩和政策を解除すると決め、即日実施した」「ただし、ゼロ金利政策は当面維持する」
(日本経済新聞 3月10日)
これを読んで違和感を覚えませんでしたか?まず、市中へのお金の量をジャブジャブにする「量的緩和」をやめておきながら金利はゼロのままにするというのは、中途半端です。つまり「金回りがきつくなれば貸すことに価値が出てくる」。したがって「金利がつくようになる、さらには徐々に上がる」のは必然なので、「ゼロのまま」にしたのでは効果は出ないはずなので政策意図がよく分かりません。多分、金利有り時代へのソフトランディングを狙った中間段階ということのようです。つまり、本音は早くインフレにして国の借金負担を実質減らしたい、しかし金利上昇は債券市場が下がり国債が売れなくなる副作用があるし、借金自身への金利も上がるのであまりしたくない、という三すくみ状態だということです。しかしいずれにしても預金、年金生活者を圧迫することになることには違いありません。しかしこのニュースを分かりにくくさせているもう一つの要因は「解除」という言葉の使われ方への違和感です。
解除とは「何かの規制、制限を設けていることを終わりにする」という意味ではないでしょうか?「通行止め」を解除する、「速度制限」を解除する、「戒厳令」を解除する、などが本来の用例でしょう。ところが今回は「規制」、「制限」ではなく「緩和」を終了するのです。「解除」はどう考えてもおかしい、金融緩和政策の「終了」、「中止」、「転換」ではないでしょうか?
もっとも、「全然」という言葉も、もともとは「全然〜ない」と否定文につくことが本来なのが、「全然かっこいい」などと若年層が使っているので世間では容認されています。しかし政府自らが、おかしな用法を堂々と使い始めるのはけしからん、と思います。
ついでに思い出したのが「認知症」です。これも数年前から使われ始めましたが、やはり違和感のある用語です。もともとの意味である「痴呆症」は患者に対して差別的なのでこう言い換えたわけですが、これも逆の用法になっています。つまり「認知に困難」がある、のですから、「認知障害症」「不認知症」などとすべきです。もしこの用法が成り立つとすれば、「自律神経失調症」は「自律神経症」に、「不妊症」は「妊娠症」(妊娠できない病気。しかし多産の病気みたい!)となる。更には「不良債権」は「良債権」、「不動産」は「動産」などと全くおかしな用法ができていってしまう。文部省、言語学者はきちんと意見を言うべきではないのか?
さらについでに。
TBSラジオをよく車の中で聴くのですが、午前中の「大沢悠里のゆうゆうワイド」の中で永六輔と遠藤泰子アナの対談で「誰かとどこかで」という番組があります。ネット検索すると「1967年1月に放送開始、2003年9月には放送回数が1万回を達成した」とあります。また他の地方では別の番組の中での放送だったりしているようです。
永六輔が旅先などで思ったこと、感じたことをいろいろしゃべり、最後に「おしゃべりは永六輔と遠藤泰子でした」と締めて終わります。しかし遠藤泰子さんは読者からの手紙を読んだり、何かの作品を朗読することはしますが、会話については番組を何回聴いてもただ単に「はい」、「ええ」などのあいづちをうっているだけで、自分から何か意見を言ったためしはありません。これっておしゃべりとは言わないのではないか?
正確には「おしゃべりは永六輔、お相手は遠藤泰子でした」と言うべきではないか?
どうでも良いことですが、どうしても言っておきたいことに拘る癖が出ました。
追記 (3/22)
まっとうなマスコミである(?)日経BPの3/20の記事には「停止」という正確な記述がありました。専門家はちゃんと分かっているのです。
http://nikkeibp.jp/sj2005/contribute/g/01/
第1回 金融の潮流が変わった!量的規制緩和解除は何をもたらすか(1)
2006年3月9日、日銀は量的規制緩和を停止することを決定しました。
また中の記述で下記がありました。なるほどと思います。
http://nikkeibp.jp/sj2005/contribute/g/01/04.html
量的緩和という用語は、穏やかに聞こえます。しかしこれは過激なマネー注入策です。 (注)政策用語の常として、言葉が勝手な意味で使われます。
「量的金融緩和の解除」とは、一般のしろうとには意図が分からなくするための「政策用語」なのでした。
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